■ 伝統工芸「七宝焼」のブランド力を高めたい
安藤七宝店は、1880(明治13)年に創業した七宝焼の老舗店です。金属の素地に銀線と釉薬を用いて精巧な彩色を施した七宝焼は「人がデザインできる宝石」と呼ばれ、海外ではジャポニズムブームを牽引し、国内では結婚式の引出物や調度品、贈答品として重宝されてきました。

国の伝統的工芸品の指定を受けた尾張七宝の窯元である弊社は、業界第一人者として地域をリードし、宮内庁御用達の栄誉も授かりました。現在は、ジュエリーブランド「J.ANDO」も展開しています。七宝焼の窯元としては規模が大きく、組織化を実現できているため、次世代の育成にも積極的に取り組んでいます。

七宝焼という美しい伝統工芸品と、その技術を伝承し続けるのが弊社の使命です。七宝焼の存在と価値をさらに多くの人に知ってもらうために、サイトリニューアルを行いました。

■ 七宝焼の世界観を構築
特に重視したのが、七宝焼のブランディングとコンテンツの充実です。

ブランドアーキタイプを用いて、七宝焼のあるべき姿を表現するのに最適なテイストを分析し、その世界観をデザインに落とし込みました。

七宝焼の技術は繊細で、その表現技法は多彩です。コンテンツには、職人の手元など現場のリアルな空気感が伝わるような写真や映像を効果的に用いました。読み物として最後まで興味を持って読んでいただくために、ストーリー展開と描写にも心を砕きました。ベテランから若手への技術承継の様子も盛り込み、未来への展望を想起させています。

日本の伝統工芸品は海外からの関心が高い分野です。海外からアクセスしても快適に閲覧できるサーバに変更しました。

■ 期待通りの成果を上げインナーブランディングも向上
2024年2月末のリニューアル後、読み物コンテンツの平均エンゲージメントは1分以上を記録しています。また、直帰率は40%ほどに抑えられています。七宝焼の魅力を伝える第一歩となりました。

今回のリニューアルの過程では、弊社が長年紡いできた価値観や想いを丁寧に言語化することができました。これも大きな財産です。