第8回Webグランプリ「企業グランプリ部門」受賞サイト

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 プロモーションサイト賞 グランプリ

グランプリ 牡蠣食う研

牡蠣食う研

一般社団法人広島県観光連盟

”牡蠣食う研”(かきくうけん)は、「広島を世界一おいしく牡蠣が食べられる街へ」をコンセプトに広島の観光を盛り上げるためのWebメディアです。

広島県は全国の65%もの牡蠣生産のシェアをもち、県外に多くの牡蠣を出荷しています。調査によると日本人の8割は牡蠣が好きで、広島への観光客は牡蠣を楽しみにしてきますが、広島の人に牡蠣が美味しいお店を尋ねても、ほぼ答えることができません。それはなぜ?

広島の人にとって牡蠣は冬の贈答品であり、お母さんがスーパーで買ってくるもので「家で食べるもの」。牡蠣が身近すぎて、広島への観光客がそれほどに牡蠣を食べたがっていることも知らず、牡蠣を積極的に勧めない県民性が出来上がっており、牡蠣を食べにきている観光客への機会ロスを起こしていました。

広島県の観光の2大課題は①観光客の消費単価が低い ②観光客の宿泊率が低い。つまり夜の観光消費が弱いのです。そんな中、広島の人が積極的に薦めるお好み焼きは、安くてお腹いっぱいになるのでとてもいいのですが、課題解決のためには広島の宝であり、単価の高い牡蠣を、街中で最高に美味しく食べられるまちづくりが必要だと考えました。

だからこそ「広島を世界一おいしく牡蠣が食べられる街へ」というコンセプトに共感をしてくれる、強い地元愛、強い牡蠣愛を持つ市井の人々を巻き込み、地域の特産品をアップデートする活動体を創出して、そのプロセスを県民にも県外にも知ってもらうためのWebメディアとして運用していきました。

このWebメディアは、実際の活動から生まれる物語で人の共感を産み、アーカイブすることで地元メディアに情報提供する役割を持ちます。この、未来を変える活動を続けていける、質の高いコミュニティメンバーが、お互いの活動を共有するツールにもなり、もっと面白いことをやってやろうという気持ちにも繋がります。観光施策でありながら、地域外だけではなく、むしろ広島県民の意識を変えるインターナルコミュニケーションツールとも言えます。

これまでの地域プロモーションでは「ご当地の名物はこれ!」を強く伝えるための一瞬の話題作りに終始しがちでしたが、本質的な地域活性の実現には、継続的な地元の活動体が必須で、関係者が関わる意義を持ちながら楽しくやっていける環境デザインが必要です。

日本の観光対策に関しては、資産の磨き上げが足りないという課題があります。それをするのは、東京からきたプロが考える単発プロモーションではなく、街の人々が、街のことを真剣に考え、懸命に街の資産を磨き上げることが大切です。牡蠣食う研は、広島のために、広島の牡蠣のためにとの共通の想いを持ちながら個別に活動していた街の力を結集した”牡蠣のスター集団”の可視化です。Webサイトにある彼らの奮闘の姿は、広島の人の牡蠣への固定概念を変えつつあり、今も続いています。