2013年12月2日、東京、白金台の八芳園にて、「第1回Webグランプリ」の贈賞式が行なわれました。Webグランプリとしては初めての贈賞式となりましたが、非常に多くの方にお集まりいただきました。このページでは「企業グランプリ部門」の贈賞の様子をお伝え致します。
Web人部門の贈賞後、休憩をはさんで行われた企業グランプリ部門の贈賞は、田中滋子Webグランプリプロジェクトリーダーの審査経過発表から開始致しました。
そして、前年(第6回企業ウェブ・グランプリ)のベストグランプリを受賞された「ソニー株式会社」より、デジタルイメージング事業本部 プロダクトプランナー 高江遊氏にご挨拶をいただきました。
ただいまご紹介いただきましたソニーの高江と申します。 この度はWebグランプリ贈賞式開催おめでとうございます。 昨年の、今回のWebグランプリの前身となる企業ウェブ・グランプリにて、私が企画を担当しておりました「アルファクロック」というWebサイトが、ベストグランプリという大変名誉ある賞をいただきました。こちらのWebサイトなんですけども、今ソニーと検索していただいてソニーのWebサイトに行くと世界遺産の写真が出てくるんですけれども、朝来ると朝の世界遺産の写真が出て、夜来ると全く同じ角度から撮影された世界遺産の写真が出る。そしてそこにアクセスをすると、それを壁紙としてダウンロードできる、ということをメインコンセプトとしたWebサイトになっております。こちらが、皆さんの審査によってベストグランプリというものをいただきました。このいただいたベストグランプリが私の人生を変えた、というお話を簡単にさせていただきたいと思います。
私が学生時代にソニーという会社に入りたい、というふうに思ったのは、当時会長であった出井さんが、これからの時代、インターネットあるいはネットワーク技術によって、ソフトウェアとハードウェアが融合していく時代が訪れる、というコンセプトを打ち出していまして、私がそれに共感をし、是非ソニーの中でそういうことを実現したい、と思ってソニーという会社に入社をしました。実際に私は入社してから10年間、ネットワークとかコンテンツであるとか、サービスとか、そういう畑をずっと歩んできて、その中でハードウェアとの融合をなんとか果たせないか、ということをチャレンジしてきたのですが、私が入社してすぐに出井さんはいなくなってしまい、なおかつ私自身も能力の不足もあって、なかなかそれが実現できなかったという思いがありました。そこで私が、ハードウェアになにか関わる手段として、自分自身がハードウェアの企画に携わろう、ということを志していました。
しかし、ソニーは新しいチャレンジ歓迎してくれる会社ではあるんですけれども、なかなかゼロから、30代にもなって、全く違うキャリアを歩むっていうことのチャレンジは、非常に難しいものがありました。そこで何かカードとなるものが欲しい、ということで、その中で、このベストグランプリという受賞を利用できないかということを考えまして、去年なんとしてもベストグランプリが欲しい、と思っていました。
昨年、場所はサントリーホールでしたけれども、ベストグランプリを受賞した時に思わず、やった、というふうに叫んでしまったのですけれども、それは当時参加していただいていた出井さんに優勝の報告ができるという喜びの他に、ハードウェアの部門で活躍できるかもしれないというカードを手に入れた、という喜びでもありました。実際に優勝した様子はすぐにテレビでも報道されまして、なおかつ出井さんが自分のFacebookのウォールで、高江さんおめでとう、ということを書き込んでくれたこともあって、それを見ていたソニーのマネジメントに瞬く間に広がって、翌日には、今回の優勝について是非トップマネジメントに報告をして欲しい、というご依頼をいただきました。
そこで私の方から、これまで5年間このコンテンツを企画してきた経緯と今回のベストグランプリの受賞について報告をしたところ、その場でカメラ部門のトップから、是非アルファ本体の商品企画をやってみないか、というご提案をいただきまして、上司はその場にいなかったんですけども、是非やらしてください、と勝手に異動を引き受けて、今アルファの全体のシステムであるとか、ハードウェアの商品企画を担当しております。
振り返ってみますと、2010年に出井さんが企業ウェブ・グランプリにいらした時に、Web担当者って今なんかアングラのように活動しているけれども、これからもっと前に出たらどうか、というご提案をされておりました。私自身もWeb担当者がハードウェアの企画なんかに関われるのか、という少し自信のない部分もあったんですけれども、実際に行ってみると、やっぱりネットワークに関わってきた時の経験であるとか勘みたいなものは、ハードウェアでも十分活かせるんですね。ですので、私が是非、皆さんに共有したいなと思うことは、単に前に出るだけではなくて、Webという分野だけではなくてもっと様々な職域でこのWeb担当者が活躍できる時代が今来ているんではないか、ということを是非皆さんと共有させていただきたいな、というふうに思っております。
今日もたくさんのWebサイト、素晴らしいWebサイトをご紹介いただけるということで、また新しい刺激を受けて明日からの商品作りに活かしていきたいと思いますのでよろしくお願い致します。ありがとうございます。
いよいよ各賞の発表となります。
まずは今回より新たに新設された「審査委員特別貢献賞」の発表です。プレゼンターはWebグランプリプロジェクトリーダー 田中滋子氏です。今回は3名の方が受賞されました。
お一人目は三菱自動車工業株式会社 瀧川 豊様。
お二人目は日本マイクロソフト株式会社 手塚 久美子様。
三人目は富士フイルム株式会社 丸山 伸吾様。
3名様は第1回Webグランプリの開催にあたり審査対象サイトをとても丁寧に評価し、非常に的確かつ愛のあるコメントをしていただきました事が評価されての受賞となりました。誠におめでとうございます。
次にスチューデント賞の発表です。審査経過の発表はこれまで企業ウェブグランプリの中心的役割を務め、今回の第1回Webグランプリの実現にも尽力いただいた、稲富茂氏に行っていただきました。
こんにちは。稲富です。今日は第1回Webグランプリということでおめでとうございます。また、お招きいただきまして本当にありがとうございます。
まず、スチューデント部門についてお話をさせていただきたいと思います。Webサイトに関わる者にとって、想定する利用者がそのサイトをどう見てくれるのかと言うことについては非常に重要なポイントであるわけです。企業は割といろいろ子供向けのサイトですとか、キッズ向けとか名前はいろいろありますけども、いわゆる学生ですとか、子供達向けのサイトっていうのを持ってらっしゃるところが随分多いと。
果たしてその想定した利用者がそのサイトをどう見てくれているのか、という評価について、多分とても関心があるだろう、ということで生まれたのが、このスチューデント部門でございます。
従いまして、審査委員は現役の中学生・高校生、ご来場の皆さんのような元中学生・高校生ではなくてですね、現役の中学生・高校生の方に審査をしていただいております。
審査は慶應義塾湘南藤沢中等部、101名。高等部、138名。合計239名の学生さんたちが、授業の中で応募のありました8サイトをそれぞれ評価しております。それぞれ良いところ、こうすればもっと良くなるのではないか、自分だったらこんなふうにしたい、と。全体で5点満点評価でどうだろうか、ということで決めた純粋な点数による評価になります。その結果、8サイトの応募の中から3サイトが選ばれました。
(一部省略)
まずは優秀賞の発表となります。
優秀賞は日本航空株式会社様の「JAL企業サイト」が選ばれました。
次にスチューデント賞グランプリの発表となります。スチューデント賞のグランプリは同率で2サイトが選ばれました。
グランプリ1サイト目はNEC様の「NEC キッズ・テクノロジー・ワールド」です。
グランプリ2サイト目は株式会社 資生堂様の「マジョリカ・マジョルカ 」が選ばれました。
さらに贈賞は続きます。次は浅川賞(アクセシビリティ)の発表です。
受賞サイトは8サイトです。まずは優秀賞からの発表となります。プレゼンターは浅川智恵子氏、賞の読み上げを稲富滋氏に行っていただきました。(以下、企業名五十音順にてご紹介)
味の素株式会社様。「エコうまレシピ」
キヤノンマーケティングジャパン株式会社様。「キヤノンサポートサイト 修理のお問い合せ・お申し込み」
東京海上日動火災保険株式会社様。「あしたの笑顔のために~防災・減災情報サイト~」
日本マイクロソフト株式会社様。「Windows for Students」
富士ゼロックス株式会社様。「富士ゼロックス公式サイト」
三菱自動車工業株式会社様。「アウトランダー プレミアムツアラーズ」
三菱重工業株式会社様。「三菱重工グラフ」
三菱電機株式会社様。「from五大陸特別編「from南極」」
ヤマハ株式会社様。「歌で伝えよう、家族の絆『第2回 家族の歌コンテスト』」 」
株式会社ワコール様。「ワコールボディブック」
ここで、浅川智恵子氏に浅川賞(アクセシビリティ)の審査経過を行っていただきました。
ただいまご紹介いただきました、日本IBM東京基礎研究所の浅川です。浅川賞の審査はまず、2ステップに分かれております。
最初のステップでは、皆様もご存知かと思いますが、総務省が推奨しているマイチェッカーというオープンソースのソフトウェアを使って、私たちのノウハウを集めた客観的な審査を行います。その結果、今日選ばれました10サイトが優秀賞となりました。この10サイトに関しては、あまり大きな得点的な差は無いんですね。ですから、ぜひ皆様もですね、来年以降マイチェッカーをお使いいただいて良い点数をマークしていただけると、まず優秀賞に入れる可能性がかなり高くなるかと思います。
ただし第2ステップに関してはですね、審査委員、視覚障害者、私を含めて6名、今回は女性、私を含め2人で、審査を行いました。この審査はですね、厳正なる主観評価の結果になりますので、こちらに関しては全く毎年わからないという状況になっております。
今年全般的に感じたことは、優秀賞を受けられたすべてのサイトが基本的なWebアクセシビリティは準拠していらして、見出しですとか、画像にalt属性というものがついています。ただ、その決め手となったのは、その見出しや画像のalt属性が分かりやすいかどうか、また、構造的にページが作られていて、音声だけで聞いていてもそのナビゲーションが再現可能であるかどうか。なんとなく、この情報が読めたんだけど、もう一度そのサイトに行こうとするとなかなかそこに到達できないというような状況が見受けられ、最終的には、再現性、自分でちゃんと構造を理解してWebサイトが閲覧出来るかどうかというところが、決め手となってきました。
ただ、もうひとつはですね、マルチメディアコンテンツですね。マルチメディアコンテンツのアクセシビリティというのは非常に難しいのですが、フラッシュに関してもマイチェッカーでチェックできます。そういったものを使っていただいて、フラッシュのボタンにテキストを付けていただけると、目が見えなくても音声だけで簡単に情報にアクセスすることが出来ます。ですが、残念ながらマルチメディアコンテンツに関しては、今回ほとんどのサイトが、あまりアクセシビリティが適用されていなかったということで、是非今後マルチメディアコンテンツは増えてくると思うんですが、マイチェッカーなどを使って少し考慮していただければより楽しいサイトになり、第2ステップでの浅川賞の確率が高くなるのではないかと思いました。ということで、第2審査の結果、浅川賞1社と特別賞2社を決めさせていただきました。
(一部省略)
そして、浅川賞(アクセシビリティ)優秀賞8サイトの中から、準グランプリとグランプリが選ばれます。準グランプリ、グランプリは贈賞式当日に初めて発表となりました。
準グランプリは2サイトが選ばれました。1サイト目は味の素株式会社様。「エコうまレシピ」。「料理がしたくなるで賞」の受賞です。
準グランプリ2サイト目は株式会社ワコール様。「ワコールボディブック」。「たどりつければ楽トレしま賞」の受賞です。
いよいよ浅川賞(アクセシビリティ)のグランプリの発表です。
浅川賞グランプリは東京海上日動火災保険株式会社様。「あしたの笑顔のために~防災・減災情報サイト~」が選ばれました。おめでとうございます。
続いて企業サイト賞の発表となります。プレゼンターは日本アドバタイザーズ協会専務理事 藤川達夫氏に行っていただきました。
まずは優秀賞の発表です。企業サイト賞、優秀賞1サイト目は日本航空株式会社様「JAL Facebookページ」です。
企業サイト賞、優秀賞2サイト目は三菱電機株式会社様「from五大陸特別編「from南極」」です。浅川賞に続いての受賞となりました。
栄えある企業サイト賞のグランプリの発表です。
企業サイト賞、グランプリは中部国際空港株式会社様「中部国際空港セントレア」が受賞致しました。おめでとうございます。
いよいよ最後となる、プロモーションサイト賞の贈賞です。プレゼンターは引き続き日本アドバタイザーズ協会専務理事 藤川達夫氏に行っていただきました。
プロモーションサイト賞、優秀賞1サイト目は協和発酵キリン株式会社様「新抗体物語」です。
プロモーションサイト賞、優秀賞2サイト目はサントリーホールディングス株式会社様「トリスハニー presents ハニーモーメント」です。
プロモーションサイト賞、グランプリは三菱自動車工業株式会社様「見上げるプロジェクト」が受賞致しました。おめでとうございます。
これで全ての贈賞が終了致しました。最後に日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会代表幹事 本間充氏に閉会の挨拶をいただきました。
皆様、本日は師走のお忙しい中、このように第1回Webグランプリの贈賞式にご参加いただき、誠にありがとうございます。先程からご説明がありましたように、Web広告研究会では今まであったWeb人クリエーションアウォードと企業ウェブ・グランプリ、それぞれの意志を引き継ぎまして、今回第1回Webグランプリとして新たな出発を遂げることになりました。本日の贈賞式や今までの審査過程でもいろいろ至らないところは多々あったかと思うんですが、このように2つの賞をそれぞれの意志を引き継ぎながら継承させていただき、また業界の発展のためにこの賞がさらに価値のあるものになるように、Web広告研究会としてはこのあともこの活動を継続させていこうと思っております。まずは受賞された皆様、受賞された企業のサイトの皆様本当におめでとうございます。
先程も企業サイトの受賞者の代表で、高江様のお話にもあったように、今回の賞を周りの方に是非告知していただいて、企業の中、更にみなさんの活動の中でも、企業ウェブ・グランプリおよび、Web人クリエーションアウォードが継承された、今回の第1回Webグランプリの賞を取った事を是非お伝えください。そして、今日参加されて賞をお取りにならなかった方、というのは失礼な言い方なんですが、でもこの賞というのは実はどちらの賞も皆さんに均等にチャンスがございます。Web人大賞のほうに関しましては、自薦・他薦問わず、この業界発展に貢献された方をWeb広告研究会として賞を決めておりますので、是非来年は恥ずかしがらず、自薦の方もお願いしたいと思います。そして企業サイトの方に関しましては先程から相互審査と申しておりますが、本当にWebサイトを作っている皆さんがWebサイトをまず登録していただいて、その登録された企業の中から審査委員を出していただいて、今日の授賞式に至っております。これは企業のWebサイトが、もはや社会の中のひとつの組織、ひとつの機能として重要な側面をしているので、まさにこの重要な仕事をさらに皆さんで高め合おうということになっております。是非来年は、今年ノミネートされなかった企業の方もノミネーションしていただき、今日段に上がれなかった企業のサイトの方は段に上がれるように目指していただき、さらにこの賞が盛り上がっていくように心からお願いをする次第でございます。
(一部省略)
Webグランプリとしては初めての贈賞式となった今回。贈賞式終了後は、思い思いに写真を撮り、贈賞の余韻を感じていただきました。
毎年恒例の贈賞パーティーも例年以上に盛り上がり、皆さんがWeb社会の未来について語り合いました。
審査経過の説明をさせていただきます。今年のエントリー数ですが、企業サイト賞は46サイト、プロモーションサイト賞が26サイト、合計74サイトのエントリーがありました。審査委員として登録されたのは237名の方々です。
一次審査は、この審査委員の方々に10から12サイトほど見ていただきまして、審査をしていただきました。それぞれの得票数の上位10サイトが二次審査に進んでおります。二次審査では、また全員の審査委員の方々に20サイトを審査いただき、投票いただきました。審査委員による投票で、今日のグランプリが決定しております。
スチューデント賞、浅川賞については、後ほど、稲富様、浅川様から審査経過のご説明をいただく事になっております。そして今年新たに審査委員特別貢献賞というものを設けさせていただきました。先ほど申し上げたとおり、審査委員の皆様方には一次審査、二次審査を通じて30サイト以上のサイトを評価していただいております。これは非常に時間のかかる作業で、業務としてやっていただいている方々もいらっしゃると思いますけれども、かなりの負担、負荷がかかる事になっております。しかし、このお互いにサイトを審査するという行為が、非常に企業のサイトのこれからの発展に欠かせないものと思っておりますので、本来であれば審査という行為は優劣つけがたいのですが、審査のプロジェクトチームが審査委員の皆様方の意見を全部拝見致しまして、より真摯に、より具体的に、より愛を持って審査をいただいた方というのを3名ほど選出させていただきました。そして今日、審査委員特別貢献賞というのをお渡しすることに致しました。
参加各社の皆様は、全ての審査委員からいただいたコメントを読んでいただいて、参考にし、今後のWebサイトの発展に向けて、より良いものにしていくように、是非、よろしくお願いしたいと思います。今日は3名だけの表彰になってしまいますが、全ての審査委員の方々に敬意を表するとともに、企業サイトをより良いものにしていってほしいと願っております。以上、審査についてご報告でした。